プロローグ ユイカ、ユキと出会う。 05

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プロローグ ユイカ、ユキと出会う。 05

 俺と彼女は、互いの手は離さずに、自分の脚を踏ん張っていた。でも手を離してしまうと、それぞれ勢いで反対方向に倒れてしまうだろう。だからその手は離すわけにはいかない。  クンッ! ピンと張った互いに繋いだその手の先には、互いに見つめている瞳があった。  俺は目を見張った。  このコの瞳に煌めく、トパーズ色の光。  この学校に来たら何かがある。  この少女と一緒にいたら何かがある。  君もおいでよ。  俺を呼んでる。  互いによろける事なく、俺は我に返った。 「ご、ごめん」  そう言って、俺は彼女と繋いだその手を離した。余程強く握ってしまったのか、手を離す時に自分の手を開けるのに、わざわざもう一つの俺の手で開けないと駄目だった。  俺と彼女に、それぞれ手の跡が残っていた。 「────びっくりしたぁ。あなた手が強いのね」 「そっちこそ。手が痛かった」  俺は自分の手を見て言った。彼女の細い手の跡が残っていた。  このコ、何かスポーツでもやっているんだろうか?  彼女のスラリとしたその細い身体は、筋肉で出来た芯でも入っているかのようだった。でも彼女の姿は、全体的に見れば筋肉質でも無い。  可愛い女のコのスタイルとして、バランスが取れているとでもいうのだろうか。
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