いちばんのなかよしさん へ

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「 その本は、 今までのお礼と、 これからの君へ贈ります。 どちらが不幸で幸せ、 どちらが良くて悪い、 どちらが損して得した、 どちらが辛くて楽しかった、 どちらが笑って泣いた、 どちらが…… そんな事を思わない様に、 これからの君のために贈ります。 理由は今朝、 ラジオで紹介されて、おおまかなストーリーを聴いて何となくその登場人物の男の子が、ぼくにあてはまるかな?と思ったから。 これからの暮らしで、何かに躓いたり迷ったりした時や、これから成長するお子さんらやお孫さん、またこれからの……君の血を受け継ぐ者へ読んであげたら良いと思う。 何度も読める、 大人も読める、 と言うか、 一生読み続けて欲しいし、 必要な本だから。 ぼくが、 君にしてあげた事は、 大した事ではない。 だけど、 ぼくが、 君を傷つけた事は、 これからの幸せになると願ってる…… ありがとう」 贈った本は絵本だった。 子どもには哲学の本、 大人には思想の本。 絵本には年齢など関係ないと、 人生を半世紀生きて、 初めて知ったときだった。 絵本を贈る前に記した……
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