第1章 セラフィーナの幼なじみ

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「ティアー!」 背筋を真っ直ぐ伸ばし、歩く姿はまるで蝶か花か。 私の呼び声に気づいたティアはゆっくりと振り返った。 「セラ」 艶やかなロングストレートの黒髪に漆黒の瞳をもつ私の姉、ティアルーシェ・グレース・ファルサリア。1つ年上の17才。 「どこか行くところ?」 「ええ。読みたい本があるから図書室に」 「そう。ティアは相変わらずね、じゃ!」 私は足踏みしながら立ち話をすぐに切り上げ、逃げるように走り去る。 ゆっくり話していたいけど、今はそれどころではない。 「待って!今日は会う人がいるんじゃ…」 その通りなんだけどね…。 ティアの声は虚しく廊下にこだました。
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