1・声優オタクの日常!?

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 ・・・読んだ限り、初めてきく名前が多い。もちろん、有名声優さんはいるけれど、数名程度。このアプリゲームでは、多くの新人さんが起用されているようだ。ますます、新人さんを応援し隊(会員は私1名だけど)としては、十分な推し要素ができた。  数分のダウンロード後に起動すると、画面にコメントが表示された。 「ふむふむ……『あなたは新人マネージャーです。マネージメントする新人を一人、選んで下さい』と。なるほど、キャラ設定も大事なんだけど、うーん、やっぱり好みのボイスの子を応援したいから、声を聞かせてもらおうっと」  画面に出た案内にそって、画面をタップしていくと、3人の主要キャラクターが表示された。  現れたキャラクターを容姿やひとことプロフィールから判断するに・・・THE好青年系。キラキラしたチャラい系男子。メガネをしたクラスの委員長系。キャラクターに触れると短い挨拶が再生されて、声を確認することもできる。  個人的な見た目的には好青年系なんだけど、声的には、メガネくんなんだよなぁ。  数分、悩んだ結果。  声オタとしてもプライド(?)を崩すことはできなかった。 「まだまだ荒削りだけど、芝居もできてるし、なんか伸びしろが期待できそう! よしっ! 君に決めた!!」  母がいたら「声が大きい!」と注意されるところだが、この高鳴りは抑えられない。  ピコンと電子音が鳴ると、メガネ男子くんがにこりと笑った。 『僕は、桜木(さくらぎ) (しん)。マネジャーさん、よろしくお願いしますね』  私の声の高鳴りなど知らない彼、桜木くんはキャラ設定通りの真面目な挨拶。  そして、やはり予想通り、硬すぎず、柔らかい声もすごくイイ。 「ふんふん。いいねいいねぇー! よーし、イベント頑張ろうっと」  スタートキャンペーンと名の<はじめまして! マネージャーさん>という、プロデュースに必要なコインやアイテムが少ないポイントでゲットできるイベントだ。このイベントを通して、ゲーム操作や内容を理解してもらおうという目的もあるみたいだ。 「そう言えば、担当している声優さんの名前は……佐藤、ユキ? くん。かぁ。……検索しても出てこないし、初メインなのかなぁ?  でも、なんか、聞いたことあるような・・・?」  何か引っかかりを感じながら、スマホを前に腕を組みうんうん唸るが答えが出ない。 「のぞみー! ご飯できたわよー」  情報収集やゲームに夢中になっている間にどうやら母が帰ってきていたらしい。  やばい。叫んだとき、いたかな?  冷や汗が背中を通る感覚になりつつも、”触らぬ神に祟りなし”というように、あえて確認しない方向にした。 「はーい! 今、行くー!!!」  新人声優さんのことは気にかかるが、情報チェックしすぎて、気のせいかもしれない。  とりあえず、ご飯食べなくちゃね!  長時間使用して温まったスマホを冷却するのも含めて机に置いて、美味しいホカホカご飯が待っているキッチンへと向かった。
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