2・まさかの呼び出し!?

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「ん?」  不思議に思って顔を上げてみる。 「す、鈴木さん……このあと時間あるかな?」  そこには、愛美との話に出ていたクラスメイト、佐藤祐希くんが立っていた。  なんというタイミング。  これって噂をすれば影ってやつ?  話したのは休み時間だけど。 「えっと? 一応、ある、けど??」  とは言え、ほぼ話したことのないクラスメイトからこんな急に声を掛けられるものなのかな?  驚きつつも答えると、ホッとしたような息が漏れて聞こえた。  佐藤くんは、どちらかというとおとなしいグループにいる。  グループと言っても、基本、ソロ活動(という名の一人)をしていて、授業や何かグループを作ろう!となると、そう言ったソロ活動をしている数人が集まってグループになるという感じ。  だから、誰かとはしゃいだりしているようなこともなくて、見た目は、校則通りの黒髮に、着崩すこともなくキッチリ。オシャレとは言い難い、重めの前髪にメガネをしていて、暗いわけじゃないけど、印象に残らないというか、頭もすごく良いわけでも、悪いわけでもなく、本当に、平均的なごくごくフツーの真面目な生徒な印象しかない。 「その、ちょっと、相談したいことがあって……」  そんな佐藤くんが、私に相談。  佐藤くんは視線を落として、そわそわと指を動かしている。  思い返しても、相談されるような出来事だってないし、悪く言えば、クラスメイトとして必要最低限の会話しかしていないように思う。  そんな関係性がほとんどない私に、なんの相談なんだろうか? 「えっと、別にイイけど……私に相談って?」  信用してる、してない、とかじゃない「なぜ、私?」という頭の中はクエッションマークが踊っている。  そんな不思議そうにした私をみてどう思ったのか、意を決したように口を開いた。 「そ、その鈴木さんなら、いいアドバイスをくれるんじゃないかって思って……」 「アドバイス?」  付き合いのないクラスメイトに声をかけるだけでも、すごく勇気が必要だったんだろうとわかる様子。  しかし、まったくもってわからない。  ますますクエッションマークが飛び交うが、控えめな声量と裏腹な真剣な眼差しに。 「うん? お役に立てるかどうか分からないけど」  気づけば答えていた。
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