ショーに立つ人のために

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ショーに立つ人のために

「ねえ、父さん、ディズニー、いつ行くの?」 「八月九日だ。」 もうすぐ夏休みに入ると言うタイミングで、息子の湧一は楽しみで仕方がないのか、父親に聞いているのだ。これで、三度目だ。父の水野 英支はたまっている有給を使って、家族でディズニーリゾートへ出かけようということにしていたのだ。お盆休みでも、月末でもいいのだが、そこは確実に混んでいる。月初もそうだが、混んでいる。それでも、息子が行きたいので、月初に有給を使うことにしたのだ。 「ディズニーに行けるから、楽しいのは分かるが、夏休みの宿題も早めに終わらせておくといいぞ。宿題を済ませておけば、気持ちも楽になるし、尚更楽しめるもんだぞ。」 「はーい。」 「カツオみたいになりたくないだろ?」 「カツオって?」 「サザエさんの弟。」 「あ、うん。」 確かに、エンディングに流れる歌のところで、ゴールデンウィークの宿題を波平と一緒にしているシーンがある。そのようなことにはさすがに英支もなりたくはないので、息子に釘を刺しておいた。  湧一は少し不満そうだった。とはいえ、夏休みの宿題は問題を解く以外にも課題はある。読書感想文もそうだ。小学生の低学年の頃から、序論(内容の説明のように伝えるか、どんな本かの説明をするかのように伝えた方がいいかもしれない。)、本論(本の詳しい内容や、自分が感じたことを伝えることを 教えた方がいいかもしれない。最も論文では、内容を議論するのだ。)、結論(本の内容を読んだ上で自分がどうするのかとかも伝えた方がいいのかもしれない)のことを教えた方がいいのかもしれない。そうでないと、子供はただ、思ったままのことを感想文にするか、正直な気持ちを伝えるように感想文を書いてしまうだけになってしまうかもしれない。最も理解力のある子供にはそこまで必要はないかもしれないが、言うに越したことはないかもしれない。
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