21人が本棚に入れています
本棚に追加
「私は、平原くんがすぐにOKしてくれたのが驚きだったよ」
私がそう言うと、今度は彼が照れたように笑って、指で顎を掻いた。
「俺さ、将来学校の先生になりたいんだよね。だから、自分の為にもなると思って」
「へー……」
「だから、逆に俺の方が水嶋さんを利用してるんだ。ごめん」
頭を下げる彼を見て、私は慌てて首を振りながら言った。
「え!? 全然気にならないよ! 利用してして!」
平原くんが一瞬キョトンとしてからくすくす笑った。
「水嶋さん、面白いね」
「えー……?」
そうかな? と私は首を傾けた。
「ああ、ほら。手が止まってるよ。水嶋さん、続きをどうぞ」
「はい! 平原先生!」
私たちは顔を見合わせて笑った。
最初のコメントを投稿しよう!