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 何日か経つと、そこに私と同じく数学が苦手なクラスメイト数名が加わった。  そしていつしか勉強会は毎週水曜日、というのがルールみたいになった。 「数学出来る人、マジで尊敬する……」 「教科書開くだけで脳みそが拒否するんだよね」 「分かる―!!」  皆の声が重なる。  そんな私たちに平原くんが苦笑しながら声を掛ける。 「ほらほら。皆、手止まってるよ」 「はーい」 「先生ごめんなさーい」  私たちはくすくす笑いながら言った。 「水嶋さん。問題解けた?」  平原くんが、私のノートを確認する。 「……」 「どう、かな?」 「惜しい。計算ミスがあるよ」  間違っている所をトントンと指で叩かれた。 「えー? 残念……」 「解き方は合ってるから、勿体ないね」 「ホントだね……」  私は溜息をついた。
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