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「あるところに、男の子がおった。名前は・・・そう、ダニエルというんだ」
「ぼくと同じ名前?」
「ほう、これは奇遇なこと・・・」
むかしむかしあるところに、ダニエルという名の男の子がいた。ダニエルは犬を飼っていた。ダニエルは毎日犬の散歩をしなければならなかった。なぜなら、犬を飼ってもらうために「毎日散歩をさせる」と約束したからだ。友達からサッカーに誘われても、ダニエルは散歩をしなければならなかった。いつのまにか誰もダニエルと遊ばなくなった。
ある日、教会の裏を散歩していると、犬の耳と尻尾がピンッと立って、地面をクンクン嗅ぎだした。そして、犬は穴を掘り始めた。しばらくの間ダニエルは、傍に立って犬が掘るのをながめていた。でも、犬はまるで取り憑かれたように掘り続けた。ダニエルは近くの石に腰掛けて、穴を掘り終えるのを待った。10分がたち、30分がたち、1時間たっても犬は穴を掘り続けた。
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