犬は穴掘りが好き あるいは、残酷な王女の物語

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3  ダニエルは、まるで最初から犬など飼っていなかったかのように、毎日友達と遊んだ。ある日、ダニエルがサッカーをしようと家を出ると、見たことのない女の子が道ばたで花を摘んでいた。 (学校にはいない子だけど・・・)  少女は立ち上がると,にっこりと微笑んだ。 「こんにちは、ダニー」  ダニエルは不思議に思った。 「君はだれ?どうしてぼくを知っているの?」  女の子は、ダニエルの方に駆け寄った。 「ねえ、遊ぼう?」  ダニエルの頬は真っ赤になった。それくらいその子は可愛かった。だが、ダニエルは女の子と何をして遊んだらいいのかわからなかった。 「何して遊ぶの?」 「目隠し鬼しましょう!」  少女は、シルクのハンカチでダニエルに目隠しをした。きれいな顔がキスできるくらい近づいて、ダニエルの頬はさらに真っ赤になった。 「こっちこっち!」  女の子の声のする方に、ダニエルは両手を前に伸ばしてそろそろと歩いた。 「そっちじゃないわ!こっちこっち!」  少女の声は遠くなったり近くなったり、時にはダニエルの袖を引っ張って向きを変えた。ダニエルが女の子を捕まえようとしても、その手は虚しく空を切り、楽しげな笑い声が耳をくすぐった。
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