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ノリオは歩きながら今までの生活を振り返りました。
怠け者なのは産まれてからの性分でしたが、それにしても仕事はてんでダメで、巣穴を掘るのも餌を集めるのも随分下手くそでした。偉い働きアリには怒られるし、疲れるし。ノリオは働きアリとしての生活に飽き飽きしていました。
(女王様が死んだのは悲しいし、気の毒だと思う。けれども、働かなくてもよくなって嬉しいのも事実だ。ぼくは自由になった。そうだ、ぼくはダンゴムシのように生きよう。この前ダンゴムシを見た時、暗いところで働かず、じっとしていたのを見た。ダンゴムシは、自分の食べたい餌を食べて、自分の好きな時に休んで、自分の好きなつがいを見つけるんだ。つがいを見つけるのは多分無理だろうけど、好きな物を食べて好きに休むのは随分と良いように思う)
暗い生活は終わり、これからは楽しい生活が待っているんだとウキウキしてノリオは歩きます。
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