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ノリオはその日のうちに巣穴を天敵に襲われないようにしっかりと作って、もう一度餌を探しに行った後にその日は眠りました。
ノリオは、三日ほどは楽しい生活を送っていたように思います。今まで食べたことの無い餌を食べたり、少し探検したりしました。その三日は確かにノリオの好きなように生きていましたが、四日目の弱い雨が巣穴から出るのを躊躇わせる頃、ノリオの気持ちは段々と滅入ってきました。
働いていた頃は、まだ他のアリ達と遊んだり一緒に働いたりすることはありましたが、今は探検するにも餌を集めるにも一人でこなさなければなりません。自分を生かすのも殺すのも、自分の気持ち次第です。
ノリオは、自由でしたが孤独でした。五日目、六日目とその気持ちは膨れ上がり、七日目にはもう働いている時と同じくらい辛い気持ちでした。
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