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おじいさんに別れの挨拶をすると、ノリオに小さな黒砂糖の一欠片をくれました。
ノリオは深いお辞儀をして、ホリオが働いている新しい女王様の元へ歩きだします。
「おい、止まれ。貴様何者だ」
新しい女王様の巣に着くと、門番の働きアリに止められました。
ノリオは、持っていた黒砂糖を門番に献上して頼み込みます。
「お願いです。どうかぼくをここで働かせてください。きっと役に立ちます。お願いします」
門番は少し驚きましたが、偉い働きアリに話を通すとすんなりと受け入れられました。
ノリオの前の巣の大体の事情は知っていたようで、見知った顔が何匹かいます。働き手は何匹もいても困らないということだそうです。
ノリオはすぐにホリオに会いに行って謝りました。
ホリオは最初こそ働きに戻ってきたノリオを笑いましたが、それもすぐに無くなって一緒に働きました。
その後、ノリオはやっぱり仕事に辛さを日々感じていましたが、決してそこから逃げ出すことはなかったようです。
働きアリは今日も地面の上を忙しなく歩きます。
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