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「どう? 撃ってみた感想は」
後ろから、アスクレーピオスさんの声が聞こえた。
「すごいですよ、ほとんど音が出ず打てたんですから。ですけど反動で手首が痛くなりましたよ。でも、銃を持つことが少し怖いです。」
「なぜ?」
「人を傷つけるかもしれない。そんな気がして。」
アスクレーピオスさんは、しばらく考え込んだ後、言った。
「それは、誰しもが抱く感情。だけど、銃は道具に過ぎない。それをどう使うかは、君次第よ。それにしても、よくここまで着いてこれたわね。スポーツをやっている様には見えないけど、、、」
「友達とよくラウンドワンだったり、バッティングセンターやジムだったりと良く遊びますからね。そのお陰で、体力テストほぼオール8ですからね。」
「それは、すごいわね。で、どう?ここは慣れてきた?」
「はい。慣れてk...」
アリーナさんは決めた日本刀のようなものを手に持って射撃場の扉を開けいた。
「事件よ一緒に来て。」
「後から行くわ、初仕事頑張って!」
ーーはい! と言ってアリーナさんとともにディスプレイがたくさん並んであるところへ向かった。
ディスプレイには、事件現場の写真がずらりと並んでいた。最初の事件現場は、薄暗い地下駐車場だった次に人気のない公園、住宅街の裏通り。血痕がまだ乾ききっていない血だまりの上にそれぞれ横たわっていた。
「今回の事件は連続殺人事件よ。サラリーマン3人が左薬指と腹部を切られて、さらに首の骨を折られて死亡、遺体は遺体安置所にあるから見に行きましょう。」
冷気が流れ込む遺体安置所で、僕は初めて死体を見た。顔色が青白く、まるで蝋人形のようだった。
「身元は?」
「マイナンバーカード、コードともにあったわ。手前から『高橋 陽翔、35歳』『北村 蒼汰、40歳』『田中 創真、30歳』そして不可解なことに裁判所の記録にあったんだけど、ほとんど黒塗りされているわ」
「他にはどんなのがあります?」
「検死報告書には、一人だけ北村蒼汰の首元に柑橘系の香りがあったそうよ」
「殺す前にみかんでも食ってたんですかね? 犯人の人相は?」
「えーと」
「身長は2メートル超え、男性である可能が高いわね」
またアスクレーピオスさんが説明しながら来た。この基地何個隠し通路があるのか不思議に思った。
確かに遺体3人は170cmはある、首の骨を折る人物なら妥当だろう。
「凶器は?」
「傷口を見ると斧のようね。しかも片手で首を折ってるから相当な筋力の持ち主ね」
「エア、昨日の田中 創真の現場が残ってるわ行きましょ」
――はい、と返事をし基地を出て現場に向かった。
現場に到着し、そこで見た光景は住宅街のレンガの壁に血が飛び散った跡があった。被害者が苦しみながら死に絶えた様子がはっきりと目に浮かぶ。
事件が起こった場所の前に、男性の刑事が手を合わせて哀悼の意を表していた。
「おう、来ましたか~。いや~しかし聞いていた通り『慧』と瓜二つですなぁ。おっと、申し遅れました。私は、特殊犯罪捜査課……紅林 銀と申します。」
「銀さんは、このオリュンポスができたすぐに担当されているだって。警察の方も顔が利くし、銀さんが居なかったら、犯罪が増える一方だからとってもすご~い人よ。後、試験受けたでしょう。警察学校を出てなくても警察と同様の扱いにしてくれたのも銀さんのお陰なんだからね。」
あのときオリュンポスの試験だと思っていたが、あれ警察の試験だったのか凄いな。ベテランの刑事さんみたいでとても安心できる。
「ご遺族と合うが、どうする一緒に来るか?」
承諾しご遺族のもとへ向かった。
「先週の出来事覚えている? 約一週間訓練したけど"SWAT"の簡略化のメニューとわいえついてこれたのはすごいわ。」
「そうだぞ、警察学校の問題をたった2時間で覚え試験時間半分で解いたんですからなぁ。」
「どちらとも、学年10位くらいありますので。」
「はは、そいつは頼もしいな。」
話なが歩いていたら、被害者の離婚した家が見えた。2階建ての団地のようだった。皆で一緒に入ろうとしたが、銀さんが止まれという合図を出した。
「これからは私の仕事だ。初めての仕事には荷が重すぎる。」
そう言うと、部屋の中へ入っていった。
家族の死を知らせる側とされる側はとてつもなく苦しいはずだ。だが、銀さんはとても真っ直ぐな目をしていた。どれだけの時間と経験を積めば、こんなにも強い人になれるのだろうか。
「僕もこんなようなことがあったなぁ。」
「家族をなくすこと?」
「ああ、父親の死を知らされたときにはもう何日も寝込んださぁ。」
「大丈夫? 無理しないで。」
そうこうする内に銀さんが来た。
「お帰りどうしたの? 眉間にしわ寄せて」
「被害者の死を知らせて、様子が変だった。普通は悲しい表情するはずだが、どこか安心しきった。ようだった。しかも被害者の名前は田中創真ではなく、加藤 良一(かとう りょういち)と言うらしい。」
「なんでわざわざ名前なんか変えたんだ? 」
アリーナさんの言う通り離婚とわいえ名前を変える理由にはならないと思う。
「不思議に思い、洗面台をお借りした。PTSDが使う薬があった。」
「考えられるのは虐待を受けた可能性があることだ。」
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