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一章 自分ともうひとりの自分
朝から目覚めて、窓の外を観ると、雲が一つも無い明るい空が見えた。
体育祭や運動会の校長先生が、言いそうなセリフを思い浮かべながら、ベットを出て、洗面所の鏡を見た。
やはりあった。そう、僕が最近悩んでいるのだが、毎朝体の何処かに怪物に襲われたような傷が出でいる。
中学2年後半あたりから出始めた。これを誰かに相談が出来ない。
例えば、病院に行けば地域に騒がれ挙句の果てには、ニュースに取り入れられ、家族に迷惑をかけたくないからだ。
とくよくよしていると、
「昂良起きなさーい! 朝ごはん食べて行かないと遅刻するわよー!」
母さんに怒られながら、食卓に行った。
やはり母さんの朝飯は、プロの料理人を超えている真珠のようなツヤツヤしている白飯、出汁の匂いが効いている味噌汁、その他のおかず等々美味しそうと、思いながら食べていた。
チャイムがなり、彼女が玄関前で立っていた。僕の幼馴染で、最近僕に好意を寄せていると思う。
じゃ何故告白しないのか、もしも、違っていたら気まずいのは嫌だし、うっかりこの傷を見せると怖がられるかもしれないからだ。
「おはよう、鳳凰くん♪」
「おはよう、七瀬さん」
「あらあら、二人共お似合いね〜♪」
「ん・・・」「ん・・・」
すっごく恥ずかしい、もう母さんったら。いつもこれだ。
お母さんに、ニヤニヤされながらも登校していった。気まずいながらも
「項辺りに傷ができているよ。どうしたの?」
ヤバい! 気づいていなかった。どう、ごまかす?
「あ~昨日下校してた時に、小枝にでも引っかかっただと思う。あははは、、、」
「そう、、、」
んーこれは上手く誤魔化せたのか? さっきのも合間って気まずい。そうと、学校に着き、教室に入り自分の席について、
「よう! モテモテ主人公くん♪ 」
「何なんだよ〜斗真〜」
「相変わらずラブラブだな!」
「うるさいよーだ!」
向かい合いながら友人と喋っていると。
「はーい、みなさ~ん席についてくださ〜い」
いつもながらなる気のなく、髪はボサボサヘアーで以下にも徹夜をした様な神楽先生が来た。すると突然!
「慧!ここにいるのは、分かってるんだから!」
モデル並みの体型と相反する胸の大きさを物語っている、女の子が大きな声で叫んでいた。
クラス全員がざわつき始めた。それもそのはず、このクラスにはケイと言う名前がいないからだ。
「お前だよ! お・ま・え! 」
吐息を漏らしながら、彼女は僕の方に近付いてきた。
「え、僕? 君と面識がないはずなんだけど、、、」
「しらばっくれるつもりか!!」
「本当に! 知らないよ、、、」
「は~ん、ここでは優等生キャラを演じてるのか。」
先生やクラス達も同様が隠せるもなく、静まり帰ったのが、っえマジ最低、お前の彼女くらい覚えててやれよ、と野次馬が飛んできながらざわつき始めた。
「とりあえず、こっち来い。」
「ちょっと待ちなさーい。」
女の子とは思えない握力で廊下に引っ張られ、幼馴染は不安そうな表情をしているように思えた。
校門を出てすぐの所で、僕は問い詰めた。
「そもそも、何故君は慧と言う人物と間違えるんでしょうか。そもそも君との関わりがないじゃないですか。」
「まだそれを言うか、さすがの私も傷つくぞ⤵」
「待ってください、 僕が慧っていう証拠あるのですか?」
「あるじゃん、項のところに傷が!」
なるほど確かにこんなところに、傷ができるのは、滅多に無いと思う。だが何故? こんなところにあるのだろうか、
「何でこんな所に傷ができているのですか。」
「ハアー⤵ あんた忘れたの! 」
ち、近い、、、パーソナルスペースがないのだろうか
「命令無視して、突撃して行ったのあなたでしょう!!」
「だから近いです。」
「だって、(こんなに近寄っても反応しなかったのに可愛い反応になったからよ!)」
ボソボソ声で赤面させた。が
「とにかくね!会議があるんだ、急ぐぞ!」
「待ってください、会議ってなんですか? それに、生徒会にも入ってないですし、会議室は二階ですよ。」
彼女は、凄く呆れ顔で頭を手で抑えながらキレる寸前で
「はあー! 何言ってんの!あんた忘れたの?! 隊長がオリエンテーションをやるから8:30に集合せよとかなんとか言ってたから、ほら行くよ!」
何を言ってるのか、さっぱりわからない絡まっている糸が更に絡まっている状態だ。
「ですから、本当に違うんですってば!!」
「そこまで違うと証言してるのならそうかもね、スッ…よく見たら髪の色が違うわ。慧だったら白髪だけど、あなたは黒髪だしね。」
「焦った…いや本当に良かったよ。もしもそうだったらチェンジですよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜
突然目の前が暗くなり目を開けると、ブラックホールにいるかと思うくらい何も聞こえなく、真っ暗である。
「貴方は誰だ?! と言うか、ここはどこだ!」
「ここは精神の宮殿とかかなア"、そして俺が慧だ。」
僕の目の前にいるのが彼女が言っていた、慧と言う人なのだろうか。それによく見ると、体格も顔がそっくりでまるで自分を鏡で見ているかというくらい似ているのだが、髪の色が真逆で白色だった。目は鋭く、生気を含んでいた。その目は僕に夏の光を思わせた。鋭く水中に差し込んで屈曲し輝いて散るあの夏の光のようだった。
「君は何処から来たんだ!!」
「外で喋る時とは、全然違うなア"。いつもは敬語なのによう〜」
「当たり前だ! 自分の中に知らない人が入ってたら動物を追い払うようになるだろう!」
「まぁまぁ落ち着けって、俺はお前に作られたと言ってもいい。」
驚いて、フナのように口を開けたまま動かない
「まあ、すべての発端を話すとしようかなア"
てめぇが、父さんに約束を破られた時、一瞬自分が遠のいていくようだったよなア“ その時に俺が出来かけたって訳だア"。」
思い当たる節があり、目が二倍ほどにも見開いた。
「そして、俺たちの父さんが交通事故で亡くなったんだァ。それで、俺が誕生したって訳だア"。」
どっと悲しみに襲われた。だがこれで、分かった。この男の子は、正真正銘僕から生まれたものだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おいおい、ずっと待たせ放しかよおい! しかも、催眠術にかかったみていによ〜たっく困ったりゃありゃしねぇ。」
そっと息を潜むように、物陰にいた。
(いったい何をしているのかしら、 鳳凰くんとその彼女さんは、鳳凰くんは立ってるだけだし、彼女さんは怒ってるように見えるし、いったいどう言う関係なのかしら。)
偶然落ちていた木の枝を踏んでしまった。すると、獲物を見つけたように、彼女の方へ振り向いた。
(どうしょう〜バレたら終わりだよね。)
「誰だ〜? うーん気のせいっか!」
(よかった~~これ以上は辞めておこう。)
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