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しまった。まさかこうなるとは。
校門に入ってから気付いてしまった。ほとんど全生徒が竜也を見ている。
生徒会に入るとは、こういう事なのだ。
あの奇妙なグループに、それもこんな地味な生徒が入るなんて。
そりゃこんなに目立つに決まっていた。
ああ、俺の穏やかなスクールライフが。
「おはようございます」
背後から声が聞こえて振り返るとそこにはシエが立っていた。シエは竜也に近付くとその手を取ってそそくさと歩いていく。
「えっちょ、会長……」
「気にすることありません。そのうち慣れますよ!」
なんてこと言って笑ってみせるシエを見て、竜也は不思議と心が落ち着くような気がした。
癒し系とはこの事なのか。関わるまではシエはただ怖い生徒会長だったのに、いざ関わってみればただの女の子な訳で。
なんだ。所詮ただの噂だったな。
知った者にしか分からないだろうが、生徒会はただの高校生だった。
それを離れた所から見る、一人の男子高生。
持っていた鞄を落としその二人の背を睨みつける。
「ふざけるな……ふざけるなよ……」
一緒に居た女子高生はその鞄を拾い両手で抱えた。
「あの子が例の」
そして口角を上げ、目を細める。
「これから楽しみだね!」
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