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忘れなきゃならない男
もう二度と会わないと
私から離れた人を
心から追い出せずに2年
毎日、仕事に明け暮れる
「ねぇ梨花。今夜飲みに行かない?」
「いいよ。でも少しだけ仕事残ってるから、店決めて先に行ってて」
「OK」
同期の藤森美帆からの誘いに
少しだけ楽しくなった
「遅くなってごめん。」
「お疲れ様」
「あ~。やっと終わったよ」
「梨花、最近残業ばっかで大変そうだね」
「うん...でも忙しいほうがいいよ。何にも考えずにいられる」
「...梨花......まだ、ダメ?もう2年だよ?」
「いやんなっちゃうよね~。こんな想いするなら別れたくない~!って我儘言えば良かったよ。あ~。もういい!今日は飲も!ね!美帆、今日は泊めてね」
「いいよ。じゃあ飲も!」
美帆とは何でも言い合えるいい関係
綺麗でサバサバしてて...。
私の大切な友達
「だから~わらしが~北海道まで追いかけて行けば良かったんだよぉ...意地はって、物分りのいい...おんにゃを~演じてぇ、別れ話を受けたりしたから......」
「はいはい、そうだね...」
「美帆ぉ~ちゃんと聞いてる?だきゃらね...」
「聞いてるよ、もう...梨花は酔ったら必ずこの話になっちゃうんだから...。ほら、水飲みな!もう帰るよ!」
「やら!もっと飲む!」
「梨花ぁ~ほら。しっかりしなさい!」
美帆のマンションに
引き摺られるように連れて帰られた
部屋について
崩れ落ちるようにベッドに
しばらくして
ん......喉渇いた..ゴソゴソ
「......うん......うん、わか...た...梨...には......しょね...うん...」
ん?美帆?電話?
「美帆?喉渇いたよ~」
「ぁ...じゃあまた明日ね。おやすみ!...ピッ」
「あ、ごめん電話中だった?」
「いいよ、うちの課の後輩だった...水...飲む?」
「うん。ありがと」
少し眠ったけど
まだ頭はぼぅ~っとしてる
「早く寝な!明日は?」
「時差...10時出勤」
「一緒ね。じゃあ8時に起こすから、おやすみ!」
「うん...ごめんね...ありがと」
美帆にくっついて
朝まで寝た
「うぅ...頭...いたい...」
「飲み過ぎよ!ほら!」
美帆が差し出した薬を飲んで
熱いシャワーを浴びる
「ねぇ美帆...昨日も...また?」
「うん、梨花...もうそろそろ次の恋愛にさ...」
「わかってるの...わかってる。
でも...」
「まあ、無理か...」
「忘れなきゃ...って思ってるのよ、でも...。美帆、どうすれば忘れること出来るんだろ?」
「もう会うこともないんでしょ?じゃあゆっくりでもいいからさ...」
「うん...そうだよね...もう会うこともないんだよね...」
「さあ!今日も仕事よ!頑張って行きますか!」
「うん!ありがとね美帆」
「また、おいで」
「うん」
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