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ご老人は持っていたルーペをテーブルに置くと、左上を見ながら両手の指を何度か折る。
「そうじゃな……ざっと30ベリーといったところか」
「よっ! もう一声!」
「その手には乗らんぞ」
「さすがです、ご主人様! 値段交渉もできるだなんて!」
「君は本当にうるさいのう!?」
とか何とか言いながらも、結局40ベリーで買い取ってくれたので良いご老人だ。
さて、次の目的地へ……と踵を返した時。ご老人は俺の腕を引っ張り顔を寄せてくる。
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