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2.オレ
ボーっと夕飯を食べていたら、テレビのコマーシャルが目に飛び込んできた。
夢の装置がついた枕? なんだこれ。でも面白そうだな。値段も高くない。
夢の中ぐらいいい気分になりたい、と仕事に疲れたオレの心に刺さった。
早速申し込み、使ってみた。憧れの女性とのデートをセット。
翌朝、いい夢を見た気がするが思い出せない。その夜、タイマーをかけて、寝起き寸前に見られるようセット。
翌朝、起きる寸前に見た夢をはっきり覚えていた。
オレの理想の女性だった。この枕、使える。
よし、今夜その続きを見よう。夢でその女性とデートをした。毎晩毎晩。
しかし、なかなか進展しない。そのため、夢を見る時間を長くしてセット。
とうとう告白した。
返事は、OK。
デートは最高だった。目覚まし時計が鳴るたびに、夢から覚めたくないと思った。
オレは彼女にプロポーズしよう、指輪を買って渡そう、と本物のダイヤモンドを買いに行って、枕元に置いて眠りについた。
「結婚してください」と指輪を見せた。彼女は「はい」と喜んで受け取った。
そこで目が覚めた。
もっと、夢の中にいたい、彼女とずっと一緒にいたいと願うようになった。
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