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私の彼は誰もが羨む程優しいし、格好いい。
初めて彼のマンションに上がり、寛いでいると隣の部屋から物音がする。
飲み物を取りに行っている彼はまだ戻らない。
猫?動物を飼っているとは聞いてない。
私は物音のする部屋のドアをゆっくり開ける。
後ろ手にロープで縛られ、目隠しされ、猿轡をされた少女が、芋虫みたいに懸命に身体を動かし助けを求めていた。
なに、どういうこと?
背中に冷たいモノが走る。
「ああ、ここにいたのか、見つけちゃったんだ。そうか、君の番はまだだったんだけど。」
後ろから彼の声がする。
ゴツンと鈍い音と共に頭に衝撃が走り脳みそが揺れる感じがして、床に倒れた。
身体が動かない。
顔に何か生ぬるいものが垂れて、私の視界を塞いでいく。
彼が何かブツブツ言ってるけど、よく聞き取れない。
最後に見えたのは、彼の手に握られた金属バット。私の血がついて、ヌラヌラと光っていた。
意識が遠退いていく中、彼が優しく
「おやすみ。」
と言ったのを最後に私の瞼が下りて、後は闇が広がった。
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