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そんな日常に、時折聞こえてくる大樹の噂。相変らずモテモテのようで、他校にまでその名前を轟ろかせていた。
めったに会うことはなかったけれど、小・中学校通して仲の良かった鈴ちゃんと偶然会って、一緒に帰っていた時に大樹の家の前でバッタリ遭遇。
鈴ちゃんは大樹のフアンだったから、うれしそうに声をかけた。
「黒川君、久しぶりね。黒川君はクラブ入ってないの? 」
「入ってないよ」
大樹は答えた後、私を見た。
「水谷、日焼けしてるけどクラブに入ってるのか? 」
ちょっと驚きながらも素直に
「うん、バトミントンクラブ。夏休み中、ずっと練習に通ってたから真っ黒でしょ」
「うん、前と後ろが分からんぐらい焼けてるぞ」
そう言って笑った。
大樹が軽口たたいて、笑ってる・・・ 。変わったんだ。あのトゲトゲさが消えている。離れたことで私たちの関係は変わっていた。
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