×平行線→○直線は2度交わる。

水谷双葉 大学4年生

　水色のカーテン越しに朝の光が差し込んでいる。その光を受けて、双葉はベッドの中から手を伸ばすと、目覚まし時計を手にした。

《なんだ、まだ5時じゃない》また、あの夢で目が覚めた・・・　。頬に手をあてると、涙で濡れている。
《毎回、毎回、同じ夢なのにどうしてこんな思いが繰り返されるんだろう。本当にいつになったら私は、この夢から解放されるんだろう》
　双葉は込み上げてくる辛い感情を断ち切るように深いため息をつくと、再び布団をかぶって強く目を閉じた。