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ブログ「ハローの部屋」<プロローグ>
“ただいま~” 双葉は静まり返った部屋に入るなり、リビングに突進した。
人影はない。それでも荷物を置いて吸い寄せられるように奥へと進む。
「ハロー、遅くなってごめんね。すぐに、ご飯にするからね」
部屋を見回して、呼びかけた相手が近くにいないことを確認すると、扉の開いた大きなケージの前で声をかける。やさしく腕を伸ばすと、黒い猫がニャーオンと寄って来た。
「ここにいたの? おいで」
と両腕で抱き寄せる。
キッチンに行き、すぐに容器にキャットフードを入れ、水の入った器と一緒に運んで来る。その間、ハローは分かっているのか、おとなしくリビングで待っている。シートにフードが入った容器が置かれるのを見ると、さっと走り寄って食事を始めた。
双葉は可愛くてたまらないといった様子で、しばらく食事風景を眺めていたが、思い出したようにパソコンのスイッチをONにする。それから迷うことなく自分が開設しているブログ『ハローの部屋』を開くのだった。
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