見果てぬ恋 4=「善悪と正義」

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鏡の中の自分を見る。 昨日まで十代だった割に疲れている。 寝不足でクマができた目。痩せすぎた頬。伸びて来た髪。 白ワイシャツに青のネクタイ。 何時ものようにフィールドではなく黒のテイラー。 仕事柄服装には気を使うが今日はフォーマルにしていればそれでよかった。 会うのは客ではなく事務方の社員だった。 出る前にドアの前で振り向く。 復此の部屋に戻ってくることはあるのかな。 雨こそ降らないが暗く曇った空。 傘は持ってこなかった。 階段を降り通りに出たらタクシーを捕まえた。 「駅まで」 荷物をトランクに入れてもらった。 総人口二億の星、キャロット。 透明な原色の光が彩る夜の半球。 最も光が密集した第一都市、星都ルビー。 車内に音声放送が流れていた。 聞きなれない音楽をBGMにトークが展開していた。 未だ少し眠かった。
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