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救急車が患者の女性を乗せて去っていく。
ベットは何だか変な臭いがする。
「先輩」は警察の事情聴取で外の巡視車両の中だった。
窓を開け、風通しを良くし、澱んだ空気を追い払う。
2LDKのアパートを見渡す。
二週間で随分荒れたな、と思った。
メンテナンスが滞こうって、汚れとゴミが溜まっている。
リビングのソファー周りにはポリ袋が置き捨てられていた。
道路に面した窓から顔を出す。
日の光が眩しい。
路上の巡視車両がドアを占めて去っていく。
部屋に向き直ると、「先輩」が立っていた。
「何ですか」
「おまえ。向いてるよ」
「普通の判断処理ですよ」
「お前の、知り合い、呼んどいた」
「誰ですか」
「買い物行ってくる――」
「先輩」はそう言ってドアノブに手をかけた。
「――ゆっくりしててくれ」
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