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事務所に通せなかったので早朝の喫茶店。
飲みすぎたと言ったら連れてこられた。
ブレンドは苦めだった。
「お前、部屋に帰ってないだろ?」
「ちょっと事情が」
「他人にゃ渡せないから」
そう言ってバートは鞄から小箱を取り出した。
「何かな」
「鈍いな。フィンからだよ」
「ありがとう」
受け取ってポケットにしまう。
「エドには刺激が強いだろう、てさ」
早朝から出勤するでもなく私服の二人。
バートはパープルのパーカーにブルージーンズ。長めの髪が。
コーヒーに口をつけると、鞄から紙巻き煙草を取り出す。
「紙巻きはまずくないか」「どうせ御禁制の品だ。」
他の客席からも疎らに煙は上っていた。
「どう、仕事?」
「慣れてきたよ」
「馴染んじまう前に、戻らんか?」
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