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鏡の中の自分を見る。
昨日まで十代だった割に疲れている。
寝不足でクマができた目。痩せすぎた頬。伸びて来た髪。
白ワイシャツに青のネクタイ。
何時ものようにフィールドではなく黒のテイラー。
仕事柄服装には気を使うが今日はフォーマルにしていればそれでよかった。
会うのは客ではなく事務方の社員だった。
出る前にドアの前で振り向く。
復此の部屋に戻ってくることはあるのかな。
雨こそ降らないが暗く曇った空。
傘は持ってこなかった。
階段を降り通りに出たらタクシーを捕まえた。
「駅まで」
荷物をトランクに入れてもらった。
総人口二億の星、キャロット。
透明な原色の光が彩る夜の半球。
最も光が密集した第一都市、星都ルビー。
車内に音声放送が流れていた。
聞きなれない音楽をBGMにトークが展開していた。
未だ少し眠かった。
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