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『何となく、こんな事をするのは僕だろうとは思ってくれてましたか?』
「いえ、ただの不審物としか思えませんでしたよ」
『相変わらず酷い方だ。……ところで、この後お時間はありますか?』
電話越しでクツクツと笑う声は不愉快極まりない事だった。何かを企んで…いや、何かを見せたいのかもしれない。
「私は学生じゃないので、暇ですよ。今日は」
『なら今から指定する場所に来て頂けますか?』
ブーとブザーが鳴ったと思えば、地図アプリに赤い点が現れていた。『ここに来い』という事なのだろう。
『生憎、僕はただの学生として生きているので学校があるのです。あと1時間程で今日の授業は終わりますので、ここに集えればと』
「でもここは何処なんですか」
『あぁ…。ここは僕の通う私立 桜楓高校のカフェテリアです。あ、チャイムが。それでは後程』
そう言って一方的に通話を遮断されてしまった。
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