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夜、俺は学校近くの山の山頂に来ていた。
頂上からは街の夜景が一望でき、街中の灯りが綺麗な輝きを放っていた。
3日前、チャットで『会いたい』と言われた時は驚いた。
正直怖さはあった。
この目を見たとき彼女は俺のことを怖がったりしないだろうか。
その思いが頭を過った。
しかし、俺もどうしても彼女に会いたいと思った。
どう表現したら良いか分からない。
けど、どうしてもそう思ったのだ。
?「あの…」
ドクンッ。
後ろから声がした。
俺は緊張しながら後ろをゆっくりと振り返った。
宮「え?」
高「君は確か…宮野?」
そこにいたのは、同じ学校に通っている宮野香澄だった。
宮「高崎君? どうしてここに…。というか何で私のこと…」
高「声のカッコいい女子がいるって一時期話題になってたから…。君こそどうして俺のことを…」
宮「目付きの悪いやつがいるってクラスの女子が話してたの聞いたから。でもまさか高崎君が『HARU』だったなんて…」
高「俺も驚いたよ。まさか『カスミン』が宮野だったなんて。っていうか…」
俺は宮野の目を見た。
高「思ったより良い声してんじゃん。俺意外と好きだよ。君の声」
宮「…高崎君も思ったより優しい目してるよ。私意外と好きだな」
宮野は笑顔でそう言った。
その顔は少し赤くなっているように見えた。
俺は笑顔で返した。
多分、俺の顔も赤くなっているだろう。
自分のことを見てくれている人は必ずいる。
認めてくれる人は必ずいる。
今回のことでそれが分かった気がする。
大事なのは自分から行動すること。
そして正直になることだ。
そうすればきっと、素敵な出会いが待っているはずだ。
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