一章 幽世へ

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一章 幽世へ

 俺の嫁になるのなら、連れて行ってやろう――。  青銀色の髪に海のような紺色の瞳をした美しい人は、美桜(みお)にそう言った。 「嫁?」  彼は、驚いた美桜の耳元で、 「昔から、異界へ行ける人間は、人ではない者に嫁ぐ者だけだと決まっているのだよ」  内緒話をするように、囁いた。
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