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中途半端な暑さが不快。
淀んだ空気が気持ち悪い。
椅子の列の先、正面に立つ似合わないタキシードの男が憎い。
おまえがあの子に何をしてあげられる……!
大学に入ってからの日葵しか知らないくせに。出会って一年後にさっさと卒業してあの子を置いていったくせに。
膝上の手に力が入りだした時、背後に祝福の行進曲が聞こえた。野外だからなのかスピーカーの音は上手にエコーすることはなく空気中に散乱していく。
花嫁……日葵の登場だ。
空いた左隣を風が通る。
私に回廊間際の席を確保したのは、一番近くで見れるようになのだと彼女は言った。
斜め後ろに新しい人の気配がした。白くて眩しい、無垢な彼女が近づく。
近づく? それはどうだろう。
日葵が回廊を一歩進むごとに、あの子はむしろ私から遠のいていく。
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