成瀬、はまって

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成瀬、はまって

 恋人と別れて一人で帰る途中だった。 山形に住む俺のあまり来たことのない店だったと思う。 店の方は自分よりは年上の女性で、カウンターを案内してくれた。 「悲しい時なのね」 女性は言った。 俺がうなずくと女性は料理をはじめた。 俺の前に置かれた美しい料理。 匂いと見た目の美しさに癒された。 一口。 身体を暖め優しく包む。 俺は幸せな食事を進んでいく。  山形国際ホテルで仕事をして俺は終えると山交ビルの方にある従業員出入口から出る。そこから駅前に出て歩く。失恋に食べたあの店を探した。だが全くわからなかった。 「成瀬、そんな店知らないけどなぁ」友人と言った時、友人も知らないと言っていた。おかしいなぁ、とため息をついた。  こうして俺、成瀬は食事の店やカフェ巡りが趣味になった。 仕事の帰りはカフェ巡り、今日などだ、仕事を終えた後。 どこに行こうか。 宮町のじたんに寄った。とてもいい。昭和レトロな店内は落ち着いた。 メニューもいい。いい店を見つけた。 俺は嬉しくなる。  どんどん色んな素敵な店を見つけていく。 月カフェにアントンズカフェ、チロルや友···次々に見つけて行き次々に好きになる。
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