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翌日、外回りの合間にカフェに立ち寄り、昼食を取る。取引先とほど近いこの店には、もう何度か来たことがあった。 トレイに乗せられたベーグルサンドとコーヒーを受け取って、窓際のカウンター席に座る。 カップを持ち上げると、小さなメモが現れた。連絡先と名前が書いてある。 「あの。」 声をかけられて振り向くと、先ほどトレイを渡してくれた店員が立っていた。 「よかったら、連絡ください。」 真っ赤な顔をして、ぺこりと頭を下げる。 俺は立ち上がり、彼女に向き合う。 「すみません。受け取れません。」 メモを差し出すと、俺を見上げて声を詰まらせる。目に涙が浮かび、下を向く。メモを俺の手から取り 「すみませんでした。」 と、頭を下げて、立ち去っていく。
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