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鈴音さんが名刺を鞄にしまい、二人が歩き出す。 声をかけるタイミングを失い、俺は仕方なく、距離を保ったまま二人の斜め後ろを歩く。 あとをつけているわけじゃないんだ。 鈴音さんと俺は、同じマンションの隣の部屋に住んでいて帰り道が同じなんだ。 誰にも責められていないのに、心の中で言い訳をしながら歩く。 鈴音さんが前を向いたまま、ゆったりと微笑んで何かを話している。 青年は、その話を聞きながらチラチラと鈴音さんを見て嬉しそうに微笑む。 んんっ? また、俺の眉がピクリと動く。 なんだか、嫌な予感がするぞ。
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