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6.
先週と同じように、部屋着姿でやって来た鈴音さんを玄関に招き入れる。
「ただいま。」
「おかえり。」
部屋に入り
「夕飯、食べた?」
と聞きながら振り向くと、鈴音さんが俺をみている。
「どうしたの?」
「駅で、朝賀くんに会ったよ。」
あの後、また駅前で待っていたのか、朝賀くん。
「佐々木さんのこと、カッコいいって。」
「鈴音さんのことは好きだって?」
鈴音さんが苦笑する。
「うん。」
「そっか。」
「区切りをつけるために、伝えたかったって。」
「そっか。」
「佐々木さんなら、仕方ないって。」
鈴音さんと見つめ合い、何故か、しんみりとする。
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