楓…あとがき

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楓…あとがき

しばらく前から吉岡里帆さんのラジオを聞いていて、先日上白石萌歌さんがゲスト出演した時にadieuの楓(スピッツのカバー曲)がかかったんですが、そこから着想を得た話です。とてもいい曲でした。主人公の名前もそこから取って楓。 それをそのままタイトルにしたりは滅多にないのですが、書きたかったのは私生活を犠牲にして働く医療従事者です。その毎日と比べると一般人がどれだけのん気か、それは前から書きたかったことの1つでした。 ただ前作の「GoTo」でも医療従事者を扱う予定だったので、かぶっていいことはなく、どうしようかと迷ったのですが、じゃあいっそのこと同じキャラで、と同一人物にしました。こういった続きものの形はこの連作で初めてですが、あっても面白いかなと。 なので前作と合わせて1つの作品とも言えます。前作の楓の背景にこんなことがあった、という裏話のような。2020年の年末の連休に、併せて書いた2本です。 あとは不倫に向かいそうな色気みたいなものが織り込めればと。 物語を排しファクトを重視する主人公ですが、それでもなんらかの物語を求めてしまう、支えにしてしまう。そしてここまでつらく孤独な戦いを強いられたら、世に言う「不倫」に向かいそうなのを誰が責められる? 強い主張とか問題提起ではありませんが、そういうものを抱えてしまうのが人なんだ、と思います。色気を混ぜつつ現時点ではブレーキをかけ、自らを抑え込む健気さでとどめたつもりです。    *** 電子書籍は7月3日に発売しました。HPから購入できます。作者の自己紹介、または「あらすじ」の下部からお進み下さい。
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