あいつが怪しい

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木村は、何かを察知したらしい。 俺に顔を近づけ、囁いた。 「工藤は、年上好きなんですよ。」 「えっ?」 ニコッと笑うと、木村は自分のクラスに、戻って行った。 「何を話していたの?」 振り返ると、葵がいた。 「びっくりした。」 「一応、先生って呼んだけどね。」 何だよ。何で俺、ドキドキしてるんだよ。 「おまえ、年上好きなのか?」 「ええ?」 俺はゴクンと息を飲んだ。 「ふふふ。気になる?」 小悪魔的に、葵が俺の顔を覗く。 「包容力があるからね。好きかも。」 そう言って、自分の席に戻って行く葵を、ボケーッとして見守る俺がいた。
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