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それからも毎年、私はこの七夕祭りを訪れている。ある年は甚平で、またある年は浴衣で。
そして一緒に歩く人も、家族から友だちへ、そして恋人へと変わっていった。
しかし、絶対に欠かさないものがある。
あのペンダントだ。
彼女との出会いから早十数年。私は彼女の顔も名前も忘れてしまった。彼女もきっとそんなものだろう。
仮に覚えていたとしても、十数年も経っているのだから随分と変わってしまっているはずだ。
しかし、これをつけていればまた彼女に会えるかもしれない。彼女が私を見つけてくれるかもしれない。
そう期待して、私はジュエリーケースからあのペンダントを取り出した。
濡れた星々の輝きは、依然としてライトストーンの中に収まっている。
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