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「えっと…。初めまして。中田美緒です。31歳で、三谷商事でOLをしてます。」
新居にて、美緒は夫となる男に挨拶する。穏やかそうな風貌の男性だ。
「初めまして。吉田尚人と申します。歳は34歳で、親から受け継いだ、小さな喫茶店を経営しております。これからどうぞ宜しくお願いします。」
互いに挨拶を済ませた後、今後の話し合いをする。
「吉田さん。これからどうしましょう?」
「そうですねえ…。中田さんは結婚願望っておありだったんですか?」
「いいえ、全く。仕事が忙しかったので、そんな事は考えたことがありませんでした。」
「そうでしたか。僕も似たようなもんですよ。まだ店を受け継いだばかりで、結婚なんて考える暇もありませんでした。」
美緒の気持ちを確認した尚人は、一つの案を出した。
「では、形式的には夫婦ですが、ルームシェアでもしているつもりで暮らしていくのはどうでしょう?お互いに、現時点で結婚する気はなかったようですし。」
「いいですね!では、ルームシェアをする上でのルールだけ決めて、あとはお互いに干渉しないことにしましょう。」
美緒が同意したので、二人はその後、家事分担などのルールを取り決めていったのであった。
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