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それ以来、二人は休みが合う都度、一緒にキャンプに出かけた。そうして二人は、以前より濃い時間を共有している内に、恋愛感情は無いものの、良き友人関係のようなものを築き上げていた。
「尚人くん!今度はどこに行く~?」
「そうだねえ。泳ぐついでに、海沿いで一泊するのはどう?美緒ちゃん、海が好きでしょ?」
「いいねえ!そうしよう!!」
いつの間にか、敬語もとれた。
「それにしても美緒ちゃん。」
「何~?」
「僕、何だかんだ、結婚義務化で、美緒ちゃんと夫婦になれて良かったって思うんだ。だって、こんなに素敵な友達に出会えたんだもん。」
「そうだよねえ。私も、最初は政府にむかついてたけど、今は感謝してるよ。私達、友達のような夫婦だけど、それはそれで良いものだね。」
二人は笑い合う。政府が想定していた夫婦とは形態が異なるだろうが、何だかんだ幸せな夫婦がそこにいた。
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