強制的に結婚させられました

5/6
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
それ以来、二人は休みが合う都度、一緒にキャンプに出かけた。そうして二人は、以前より濃い時間を共有している内に、恋愛感情は無いものの、良き友人関係のようなものを築き上げていた。 「尚人くん!今度はどこに行く~?」 「そうだねえ。泳ぐついでに、海沿いで一泊するのはどう?美緒ちゃん、海が好きでしょ?」 「いいねえ!そうしよう!!」 いつの間にか、敬語もとれた。 「それにしても美緒ちゃん。」 「何~?」 「僕、何だかんだ、結婚義務化で、美緒ちゃんと夫婦になれて良かったって思うんだ。だって、こんなに素敵な友達に出会えたんだもん。」 「そうだよねえ。私も、最初は政府にむかついてたけど、今は感謝してるよ。私達、友達のような夫婦だけど、それはそれで良いものだね。」 二人は笑い合う。政府が想定していた夫婦とは形態が異なるだろうが、何だかんだ幸せな夫婦がそこにいた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!