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「…そうですか…。つまりこれまでの社長の経験が会社の方針になってるわけですね。」
「ええ。海外に目を向ける。借金だって決して悪くない。その強気の姿勢が大事なんです。」
「因みに、その強気の社長の性格を生んだきっかけはありますか?」
記者の質問に俺の記憶に黄泉の防人の姿が出てきた。
8年前に起きたその事件は俺を変えた。そもそも海外へ逃げようとして語学を身につけた。ただそれだけ。安い海外製のスマホを持とうと勉強したが、それはいつの間にか海外スマホを売る側に。
気づけば海外の製品を取り扱いをする商社の社長になろうとは。
その攻める姿勢は崩さない社風でいつの間にか優秀な社員が増え会社を回している。
今は成長企業として注目されている。
「…それでは本日はありがとうございました。」
新聞社の取材を終えて見送りだ。呼んでいたタクシーは走り去っていく。その時だ。
「!?」
俺の瞳にこの道路や街並みに似合わない着物姿の後ろ姿が。そのまま足も動かさず、滑る様に静かにタクシーを追いかけていく。
「…黄泉の…防人!…タクシーを追いかけていったのか?」
俺は呆然をしていた。
「…社員!出張の申請手続きをしました!」
「!?…あぁ、ありがとう!スターダムポンプだな。」
俺は社員に声をかけられて我にかえった。
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