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彼に指示された場所は都内の一流ホテルにある美容室。
「お待ちしておりました。さあ、どうぞこちらへ」
黒スーツの女性が、対応してくれる。
「こちらに着替えて下さい」
薔薇色の胸の辺りが大きく開いた、マーメードラインのイブニングドレスを渡される。
「えっ?」
何がなんだかわからない。
「さぁ、お時間があまりないので」
考える余裕もなく、ドレスに着替えさせられ、メイクをされる。
鏡の前にいる女はいつもの私とはまるで別人……。
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