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「あ、お蜜柑」
くるみは言うのだ。こたつで食べる蜜柑は最高だと。
最近日暮れが早くなって、メランコリックな気分になって、新潟の田舎を恋しく思っていたところだったのだと。
「晃ちゃん、年末どうするのかな、ってちょっと思ってたんだ。飲食店だから休みとか取れないのかなって。だったら私はどうしたらいいのかなって、正直に言えばね」
晃一は勇気を出して言ってみた。
「くるみ。この家にこたつ、買ってもいい?」
くるみは弾けそうな笑顔で、首を二回縦に振った。晃一はなんだか無理して肩ひじ張っていた自分に気が付いた。
「こたつに蜜柑、やっぱり最高だよな」
そんなわけで、次の休みを合わせて、こたつと下に敷くラグと、蜜柑を入れるざるを買いに行くことにしたのだ。
≪了≫
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