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魔四天王の魔女ミザル
伊吹が、岩に向かって一撃を出したのを気がついたのは、魔法レーダーの側にいた、王女ヨギンの魔四天王のひとり魔女の『ミザル』だけでした。ミザルは、とても美しく魔法においては、魔四天王一の腕を持っていました。
「ヨギン様、たった今、魔法レーダーで、東の洞窟の方で、莫大な魔法力が放出されたのを感知致しました…」
「あそこには、スライムになったライムがいるらしいから…ほっておいていいわ…下等生物のスライムごとき、何もできませんわよ…」
「しかし…すごい魔法力でしたわ…」
「それより、誰か次のお宝を集める考えはないのかしら…我はこの世界のお宝をもっと集めたいの…」
王女ヨギンは、また人々の大切なお宝を横取りする悪巧みを魔四天王と相談していました。ミザルは、トイレに行くふりをして、凄くこの魔法力が、気になったので、1人で確認しに東の洞窟へ向かいました。
「ヨギン様、ちょっと席を外します…」
「ミザル様、どちらへ…私もついて参ります…」
「イワザル、1人で行けるわよ…察しなさい」
「あっ、すいません…おトイレですね…」
「…」
その頃、スライム魔導師とバッハンは、王女ヨギンからお宝を取り返す事を考えるために洞窟の奥の家の中に行きました。伊吹には、魔法の練習をするように言い残してました。
しかし、伊吹は、初めて魔法を使ってエネルギーを消耗したので、凄くお腹が減っていました。食べ物を探しに行こうと思いました。
「何か、腹減ったなあ…食べ物を探そう…あっちに川があるな…」
洞窟に中に向かって、川に行ってくると言って、走り出しました。
「川に行って来ます…」
しばらく、走るとすぐに川がありました。川原に降りると川の中に入り、素手で川魚を数匹捕まえました。
そして、そこら辺に落ちていた、たき木を集めて、魔法で火を起こし、魚を木の棒にさして、焼き始めました。
「この世界は、火打ち石が無くても、火が出てくる便利だな、ここの魚も大きくて旨そうだ…」
そこへ魔女ミザルが、魔法のホウキで飛んできました。
「あれ、何か棒に乗って、誰か来たな…この魚を狙ってるのかな?」
「ねえ、そこのお兄さん…この辺で、スライムを見なかったかしら…」
「スライム…ああ、あっちの洞窟の中に行きましたよ…」
「そうねのね…ところで何をしてるの…良く見るとすごいイケメンね…お名前は…」
実は、スライム魔導師とバッハンは、男性なので、気がつきませんでしたが、伊吹のイケメン魔法がMAXなので、魔法を出すと一緒に凄いフェロモンが放出されてました。
女性が近づくとをそのフェロモンで虜にしてしまうのです。しかも伊吹、本人は全然、気がつきません。
「伊吹ですが…魚を焼いてます…でも、あげないよ…」
「い、ぶ、き…さま…素敵なお名前ですわ…」
「魚を食べるので、あっちに行ってください…」
「その冷たい態度にきゅんとしますわ…」
木に乗って来た女性が、近づいてきたので、怖くなり、伊吹は魚をあげて、帰ってもらおうとしました。
「わかりました…一匹だけあげるので、帰ってください…」
「まあ、冷たい態度の後にお優しい…ツンデレねえ…ああ、伊吹様に一生付いて行きますわ…ミザルって、呼んで…」
ミザルは、伊吹のイケメンフェロモンにやられてしまい、一瞬で身も心も伊吹に奪われてしまいました。そこへ、スライム魔導師とバッハンが伊吹の様子を見に川原に来ました。
「あれは、魔四天王の魔女のミザルだわ…」
「もう、ここを嗅ぎ付けてきたのですかね…」
「何か伊吹とイチャイチャしてないかのう…サーチ!」
スライム魔導師は、遠くから、状況を知るために魔法で2人を見ました。
「伊吹とミザルは、すでに主従関係になっているな『恋の奴隷』がミザルにかかっておる…」
「伊吹さん、すごい、魔四天王を一瞬で手なずけるとは…私の目にくるいはなかった…」
そして、魔女のミザルが、伊吹達の仲間に加わりました。
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