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魔四天王の魔剣士イワザル
その日の夜は、洞窟内のスライム魔導師の家で、夕ごはんを囲みながら、現在の王女ヨギンの状況をミザルから聞きました。
「最近の王女ヨギンは、どんな様子じゃ…」
「あいかわらず、お宝を略奪する事しか、考えてませんわ…」
「私の弓も、早く取り返したい…」
伊吹は、また、王女ヨギンの事が、良くわからないので、先ほど取ってきた魚を美味しそうに食べていました。
「ここの魚は、旨いなあ…」
「まあ、伊吹様、可愛い…」
ミザルは、伊吹の側から離れません。そして、そのまま泊まる事になり、ミザルはちゃっかりと伊吹の横をキープして寝ました。
「伊吹様、おやすみなさい…」
「いつまで、くっついての…もう…」
次の日になり、お城にミザルが戻って来ないので、ミザルに密かに恋心を持ってる魔四天王の1人の魔剣士の『イワザル』は、心配で一睡も出来ませんでした。もちろん、ミザルに好きとは、まだ、言わざるでした。
「ミザル様は…とうとう戻って来なかったな…そう言えば、東の洞窟の事を言ってたような…」
イワザルは、1人で重い鎧を身に付けて走って、東の洞窟方面に魔女のミザルを探しに行きました。
「はあ、はあ、ミザル様、必ず、お助けに参ります…」
その頃、ミザルは、伊吹と朝ごはんを食べ終わり、伊吹の魔法制御の訓練として、スライム魔導師から、やり方を教えるようにお願いされてました。
「ミザルよ、伊吹に魔法の制御方法を教えてほしいのじゃ…」
「伊吹様のことは、お任せください…」
「えー、まだくっいて来るの…」
伊吹は、魔法力が強すぎて、まだ、抑えることが難しいので、まずは簡単方法から練習を始めました。
「伊吹様、まずは力を抜いて、両手を前に出して、ください…」
「こう…」
「さすが、伊吹様…そうですわ…」
その頃、バッハンは、楽器作りの名人ですが、武器作りにも精通していたので、伊吹用の武器を考えて設計図を書いてました。スライム魔導師は、みんなの朝ご飯の片付けを魔法を使ってしていました。
「伊吹様、光の魔法は、女の子を包むようなイメージで、優しく…そっと出してください…」
「こうかな?…」
優しい光が伊吹から放たれるとミザルの元へ行きました。その際にイケメンフェロモンも自然と追加付与されたので、ミザルはへなへなになってしまいました。
「もう、だめですわ…伊吹様…腰が抜けるほどメロメロです…」
たまたま、その場面に遭遇したイワザルは、敵がミザルを魔法で攻撃していると勘違いして、走って伊吹に切りかかりました。
「この野郎、ミザル様に何て事をするんだ…」
「いきなり、こわっ…しゅたっ…」
しかし、伊吹はイワザルの剣の一撃を避けると手刀で、首元を軽く叩くとイワザルは、その場で気絶してしまいました。
「イワザル?」
「ミザル、知り合いなの…」
スライム魔導師は、朝ご飯の片付けが終わったので、様子を見に洞窟を出たら、また、魔四天王の1人イワザルが、伊吹の足元に転がっていたので、驚きました。そして、状況を魔法を使って見ました。
「サーチ! なるほど…ミザルとイワザルの関係は、『淡い恋心』で結ばれているのか…」
ミザルは、慌ててイワザルに駆け寄りました。そこで、スライム魔導師は、ミザルに声をかけました。
「ミザル…今のうちにイワザルと主従関係を結んでおくれ…伊吹の為じゃ…」
「えっ伊吹様の為?…わかりましたわ、シモベ!」
ミザルは、イワザルを手下にする魔法を使いました。そしてイワザルを起こすと従順な飼い犬のようになっていました。
「ミザル様、何でもお言い付けください…」
「まあまあ、焦らないの…こちらが私の新しいご主人の伊吹様よ…いやん、旦那様って意味じゃないけど…いつかは…ふふふ」
「そうでしたか、伊吹様よろしくお願いいたします」
「はい…何か、おかしな奴が、また増えたなあ…」
「やれやれじゃ…」
こうして、魔剣士のイワザルが、伊吹達の仲間になりました。
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