男前忍者伊吹、拉致される!?

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男前忍者伊吹、拉致される!?

 梨乃亜姫一行が、西の大国から約2年ぶりに金のしゃちほこ城に帰ります。  このお城のお姫様の梨乃亜姫に、お付きの女中の美代、護衛の忍びの伊吹の3人は、西の大国で各々はいろいろと学び、その成果をお城に持ち帰るところです。  城下町を抜けると懐かしいお城の全体像が見えて来ました。門の前には、たくさんの人達が出迎えに出ています。  3人は、そこへ駆け出したくなりました。その時、一番後を歩いていた伊吹に天空から光があたりました。 「あれ、何の光だろう…」  そのまま、その光に吸い込まれてしまいました。梨乃亜姫と美代は、出迎えに気を取られて、気がつきませんでした。 「あっ、身体が浮いた…助けて…」  出迎えには、家老や家臣の侍、女中達とお城の使用人達が勢揃いです。美代は、女中のグループに真っ先に駆け寄り、美津と抱き合ってます。  梨乃亜姫の周りには、家老や家臣の者達が集まり、お城に入っていきます。梨乃亜姫は、いつの間にか、伊吹がいなくなってたので、忍びの里に帰っていったと思いました。 「あら、伊吹がいないわ…こっそり、忍びの里に帰ったのね…」 「おーい、梨乃亜様、ここにいます…」  伊吹は、そのまま空中に持ち上げられ、上空から梨乃亜に叫びましたが、声は届かず、そして、そのまま丸い物体の中に吸い込まれました。  何か、部屋のようなところに出て、正面には大きな画面があり、金しゃちのお城が見えます。その下には、たくさんのボタンがあり、そのボタンをポチポチ押している人?がいました。 「よし、これで自動航行に切り変えた…伊吹さん初めまして…宇宙演奏家のバッハンと申します…」 「えっ? もののけがしゃべった? 怖い…」 「そうか…この時代の人達は、宇宙人は知らないな…」  バッハンは、一瞬にして江戸時代の町民の格好になり、優しく伊吹に話しかけました。 「スタイルチェンジ! 伊吹さん…お話を聞いてください…」 「あれ、町民になったよ…何かの術かな? なぜ、俺の名前も知ってる…」 「はい、もう有名ですから、そこで伊吹さんのお力で、あるところから取り返して欲しい物があります…」 「俺、有名? もう、怖いことは嫌なんですが…」 「簡単です…ある建物に忍び込んで、宝箱から弓…棒を取ってくるだけです…」 「ほんとに…」 「それにこの術を伝授します…ステルス!」  バッハンは、宇宙船の真ん中で、姿を消しました。 「あれ、いなくなった?」 「ステルスリセット!」  バッハンは、またその場で、姿を現しました。 「おお、また出てきた…」 「この術をお教えします…便利ですよ…怖そうな事が起こりそうな時にどこでも姿を消せます…」 「おお、それは有難い…隠れ身の術だと壁際しか使えないから、これは凄い…」 「この術を使って忍び込めば…あっという間に終わります…」 「わかった…やります…」  しばらく、行くとひとつの星が見えてきました。バッハンの円盤は、そのままその星に着陸しました。森の中に円盤を隠すと伊吹を連れて、歩き出しました。 「ところでここは、どこですか?」 「ここは、異世界ファンタジー星です…魔法…いや、いろんな術を使う人がたくさんいます」 「へー、忍びの里みたいなところですね…」 「伊吹さんも少し術を覚えてもらいます…それから、着物をここの人達の者に変えますね…スタイルチェンジ!」  伊吹とバッハンは、バッハンはの一声で、ファンタジー星の人の冒険者の格好に変わりました。 「あれれれ、なんか着物が変わった?…」 「これは、ここの冒険者…いや、旅の着物です…それから、ちょっと修行をしてもらいます」 「怖くなければ、いいですよ…」  しばらく歩いて行くと洞窟の前に出ました。そして、バッハンは、入口で声を掛けます。 「スライム魔導師殿!…」
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