prepper

　山田は独自に分析したレポートを伊藤に読ませながら長々と語った。ロシア、中国による日本への侵略の可能性や北朝鮮問題などを踏まえ、自衛隊の国防の限界や、憲法改正などの先に進まないことえの切迫した"時間"の足りなさを。

　「つまり、このまま自衛隊が日本軍という位置付けにならずに、あいまいな立場でミサイルや戦闘機だけをアメリカから買っても、現場の隊員達の士気や、より強力な兵器を持たなければ、近い将来にもしも、ロシアや中国、北朝鮮からの武力攻撃、侵攻などされたらひとたまりもないということか？」

「その通りだ。あと絶望的なシナリオとして、ロシアが核兵器を使へば、NATOとの全面核戦争に発展する可能性も大いにあり、その時に呼応して中国、北朝鮮も核の行使をする可能性もある。そうなれば日本はおろか、世界的に壊滅するだろう。少なくとも大都市圏は。後はモラルや人間らしさ等とは関係ない旧石器時代に逆戻りだ」