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部活中も丸君の言葉をずっと考えていた。
加藤はそうではないけど私は・・・。
私の心はもう、加藤のもの。
そんな風に見えているんだ・・・。
もどかしいほど相手を思い、その気持ちを抑えることが出来ずどうしても表情に出ていたかもしれない。でもそれがはたから見てわかるようならば加藤にも当然気付かれてる。私の真逆の行動に加藤は苛立ったかもしれない。でもどうしよう?私はどうやって接し続けたらいいだろう?加藤の全てを欲しいと思う。でもそれを得たとしても自分はどう行動していいか分からない。そのどうしようもない矛盾の気持ちが彼を突き放し、離れていこうとすると胸が張り裂けそうで怖い。そんな答えの出ないどうしようもない気持ちの中、丸君に言い当てられてひどく落ち込んだ。
そんな私のぼんやりとした様子に藍子が気付いて部活が終わるとすぐに私のところへ来て心配した。私は何事もなかったように振る舞う。それでも不審そうに
「なにがあったの?」と聞くので
「ちょっと、教室でね」と無理に笑った。
「また、例のあの子たち?」
「違うよ、あの人たちとはもう話もしない。無関係」
そう伝えると、ハッとしたように
「もしかして、、、加藤のこと?」
と、恐る恐る聞いてくるのでもう、隠していても仕方ないと思い「ごめんね」と答えた。
その様子に藍子は何も聞こうとしなかった。
なぜ謝ったか自分でもよく分からない。
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