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ここで一先ず、世界最強の超能力組織『ピースメーカー』のメンバーを紹介しよう。
ほぼ全員、僕が知っているのはコードネームだけなのだけれどね。
「世の中は広いな。私達の存在を知っていながら、卑劣な事を企んでいる阿呆共がいる。実に愚かだなぁ」
格付け十位――『兆力無双』
「我々に喧嘩を売っている身の程知らずなのか、はたまた、ただの馬鹿なのか。どっちなのだろうか?」
格付け九位――『液金軍機』
「それら二つの仮定で考えるのであれば、どちらにせよバカであろう」
格付け八位――『絶対斬撃』
「そうねぇ、ただの馬鹿は文字通りバカとしてぇ、ウチらに喧嘩を売る身の程知らずさもぉ、大概馬鹿よねぇ?」
格付け七位――『猛毒災害』
「あなた達、敵を舐め過ぎじゃなくて? 自分達の力を過信し過ぎると、足元すくわれますわよ」
格付け六位――『天地鳴動』
「そうね……アースの言う通り。私達には万が一の敗北も許されない。私達の一角が落ちる事は、抑止力の崩壊に結び付く可能性がある。例え敵が兎であろうと、全力で狩るべきよ」
格付け五位――『念力女王』
「………………」
格付け四位――『万物消滅』
「そもそも、あの敵に対して私達がこうやって会議をしている事自体が舐めてる証拠なんちゃう? 私が今すぐ、サクッと殺ってしもうてもええで?」
格付け三位――『千里爆撃』
「やめとけ……ボムの力は派手過ぎる。殺るなら僕が静かに、スマートに殺る……」
格付け二位――『黒球遊戯』
そして――
「まぁまぁ、そう殺気立つなよお前ら、取り敢えず今日の会議はお開きにしよう。敵への対策は明日考える事としようぜ、今日はもう遅い」
世界最強の超能力組織ピースメーカー、そのトップであり格付け一位にして――
「今日は解散、いい夢見ろよお前ら」
世界最強の超能力者――『英雄時間』
トップのその言葉を皮切りに、週に一度行われる会議が終了した。
今回の議題は……まぁそれはどうでもいいか。この話で語るべき内容ではないし。
そんな訳で会議を終え、散り散りとそれぞれの部屋へと帰って行く最強超能力者達。これから分かる通り、僕達ピースメーカーのメンバーは全員とある国のとある場所にある超高級マンションで全員住んでいる。
ある意味、部活の寮生活と何も変わらない。
朝昼夕の食事はメンバー全員集まって食べるし。
洗濯は各自それぞれで行う。
掃除については月毎に当番が決まっており、一日かけて広いマンション内を二人で掃除する。ピカピカになるほど掃除する。
さて、ここで特筆すべきは掃除だ。
上記で部活の寮生活と変わらないと述べたが、それは上下関係というものも一致する。
早い話が、世界最強の超能力組織ピースメーカーの中でも、先輩後輩はあり。上下関係が存在するという事だ。
「明日お前達が掃除当番だな」
部屋へ戻る途中、ピースメーカーのトップ、『英雄時間』さんに声を掛けられた。
「そうですね。僕とホープが当たってます」
「お前達はなにぶん新米ゆえに当番になる事が多くなっているな。本当にすまない」
「いえいえ、そんな……新米だから仕方のない事なので、それに僕、掃除好きなので」
「そうか……」
『英雄時間』――ヒーローさんは、優しい笑みを浮かべる。
この人の笑顔、本当に優しいんだよな……戦う時は物凄く怖い、鬼のような表情をしているのに……二重人格を疑わざるを得ない程のギャップがある。
まぁそのギャップが、この人の魅力でもあるのだけれど……。
「頼んだぞ」
「はい! マンション中ピカピカにしますから!」
「いや……掃除もそうだが、ホープの事だ」
おっと、そっちか。
そんな事……言われずとも分かっているので、僕は頷き、返事をする。
「もちろんです」
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