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「お待たせ〜」
「悪いの〜しんごたん」
原付で迎えにきてくれた幼なじみの、しんごたん。
「かじゅくん、またやられたん!?」
「やられてへんがな!きゃーんいわしたったわ!」
「メットないけど乗り〜」
「助かるわ〜」
(あいつら絶対返したるからな)
この頃隣の市。ごく一部の育ちの良い奴らが俺等の町で好き勝手にカツアゲ、レ◯プ等まさに蹂躙状態だった。
「今日バイトちゃん?」
「おぉせやったな忘れてたわ!」
「その顔でレジ立つん?」
「どの顔でレジ立てるん?」
「しんごたん、後ろババタン来とうわ。止まらずゆっくり信号ブッチして。」
しんごたんは返事する事なくゆんわりと信号を無視して進む。
※ババタン お巡りさんが運転するカブをババタンと呼んでた。
ババタンは緊急車両じゃないので赤信号では止まらないといけない。多分。
「っとぅ」原チャリから飛び降りるがじゅまる。
「元気そうで良かったわ、がじゅくんまた〜」
「しんごたんありがとうな〜おばちゃんによろしく〜」
「おかんまたヤクルト配りだしたで〜」
「ホンマか〜また注文せなアカンな〜」
ほなっ〜オツベーベー。頼りないクラクション音を2回ならす、しんごたん。
幼なじみを見送りなら家の中へ入る。
「ワーン。ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ」
「ワーンちゃうやろ〜にゃ〜んやで、すみれちゃ〜ん」
「ん〜まっててくれた〜ん?」
玄関で転がりだす、がじゅまる。出迎えてくれてたのは猫のすみれちゃん。鳴き声がにゃーんじゃなく、いつも、ワーンと鳴く。
「ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ」
「すみれちゃん絶好調やな〜ちょっとねんねしよか〜疲れたわ〜。。。。」
3人相手にしばきまわされた事が無かったかのように癒され眠る、がじゅまる。
がじゅまるが知らないところで、どんどんと事態は大きくなっていってるが、この時のがじゅまるは何も知らない。
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